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クレヨン

クレヨン

図工の時間に希君が大事そうになにかを持っていました。
とっても大事そうに持っていました。
大事そうにぎゅっと握っていました。

何だと思いますか?
何だと思いますか?

とってもとっても嬉しそうに持っていました。
とってもとっても嬉しそうに持っていました。

「何なの?」って尋ねてみました。
希君は一度にっこり笑いました。
「何なの?」ってもう一度尋ねてみました。
希君は今度は二回にこにこ笑いました。
みんなもよく知っているいつもにこにこ顔の希君です。


みんなもよく知っているいつもにこにこ顔の希君です。

にこにこ顔の希君がますますにこにこになってにこにこ君
になってしまいました。

咲希お姉さんや、早苗お姉さん、健お兄さん、康兄さんも
にこにこですが、今日の希君はそれにも負けません。

僕は希君に「見せて」って頼みました。
僕は希君に「お願い」って頼みました。

希君は「待って」ってにこにこして答えました。
希君は「待って」ってにこにこして答えました。

僕は見たくてたまらなくなりました。
僕は見たくてたまらなくなりました。
「早く見せて!」ってお願いしました。
「早く見せて!」ってお願いしました。

僕は両手をそろえてちょうだいをしました。
僕は目を閉じていました。
実をいうとこわかったのです。
バッタだったらどうしようと思いました。
ゴキブリだったら、キャァと大声をあげそうです。
思わずお祈りをしてしまいました。
希君は僕の手にそっと置いてくれました。

僕は目を開けました。
僕の目と希君の目が合いました。
希君の顔が太陽のように輝いていました。
希君の手が震えていました。
お手紙だったのです。
お手紙だったのです。
大きな字が書いてありました。
力一杯書いてありました。
何回も練習したのでしょう。
消した跡も残っています。
でもはっきりとわかりやすく書いてありました。
「のぞみ」と書いてありました。
「きくんへ」と書いてありました。
「のぞみ」君が「き」君にお手紙を書いたのです。
「のぞみ」君が「き」君に書いたお手紙だったのです。

希君は嬉しくって嬉しくって大事に持っていたのです。
希君は嬉しくって嬉しくって大事に持っていたのです。

希君は望君の手紙が嬉しかったのです。
希君は望君の手紙が嬉しかったのです。

きっと望君も喜んでいるでしょう。
きっときっと望君も喜んでいるでしょう。

望君の気持ちが希君に届いたのです。
望君の気持ちが希君に無事届きました。

その時勉強の終わるチャイムが鳴り響きました。
祝福のメッセージみたいでした。

希君の近くに望君がいました。
望君はクレヨンで線を伸び伸びと描いていました。
望君はクレヨンで丸を生き生きと描いていました。

その時クレヨンが望君の手から滑り落ちました。
その時クレヨンが望君の手から滑り落ちました。

机から落ちたクレヨンが転がりました。
机から落ちたクレヨンが転がりました。

小さい小さい短くなったクレヨンでした。
小さくなった小さくなったかわいいクレヨンでした。

コロコロとコロコロと転がりました。
コロコロとコロコロと転がりました。

まるで10円玉のようでした。
希君の椅子のところへ転がっていきました。
そして希君の足下で止まりました。
止まるときに駒のように回りました。

望君がゆっくりゆっくり立ち上がりました。
クレヨンをきょろきょろさがしています。

希君がクレヨンに気がつきました。
クレヨンに気がつきました。

希君がにこっと立ち上がりました。
希君はひざまついてクレヨンを大事そうにつかみました
希君は「誰のかな?」と思いました。
「誰のかな?」と思いました。

望君は「何処にあるのかな?」ときょろきょろ頭を動かしています。
頭を後ろに向けたり前に向けたりしています。

希君の顔と望君の顔がごっつんこしそうになりました。
望君の顔と希君の顔がごっつんこしそうになりました。
望君は希君の手のクレヨンを見つけました。
望君はクレヨンをじっと見つめています。
じっとじっと見つめています。

希君はクレヨンが望君のものであることが分かりました。
希君は大事そうに両手でクレヨンを持ち直しました。
希君は両手でそっと望君にクレヨンを渡しました。
望君は紅葉のような手をあわせて、クレヨンを貰いました。


望君のお手紙をポストから出してくれたのは誰かな?
望君のお手紙にスタンプを押してくれたのは誰かな?
望君のお手紙を希君に届けてくれたのは誰かな?

咲希お姉さん、早苗お兄さん、健お兄さん、康お兄さん
頑張りましたね。
みんなが力をあわせて頑張りました。
みんなが頑張って郵便局の仕事をやり遂げました。
大きな大きな仕事をしたのです。
ご苦労様でした。

希君と望君はますます仲良くなりました。

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2006.10.05 | | Comments(0) | Trackback(0) | 創作

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